生徒会長の新入生を迎える言葉を聞いて、

校長先生の話を聞いて、

何やかんやして。

入学式はあっという間に終わった。



教室に帰って、今日はこれだけだからって解散になった。


私が麻葵ちゃんに


「バイバイ!」


と挨拶をすると


「バイバイ!」


麻葵ちゃんも柔らかく微笑みながら挨拶を返してくれた。



少しびっくりしながら私たちのやり取りを見ていた笑実ちゃんの元に行く。


「笑実ちゃん!帰ろ?」


「むぎちゃん、もう友達出来たの?」


「うん!さっき!八坂麻葵ちゃんって言ってね!
身長高くて美人だよねぇ。いいなぁ。今度笑実ちゃんと3人で喋ろう?」


「うん、そうだね。」



──この時、私は気づいていなかった。

  笑実ちゃんの胸の痛みに。



「むぎ、笑実、どーせなら一緒に帰らね?」


笑実ちゃんの前の席のひろが言う。

柊斗も一緒だ。


「うん!帰ろう!」



──この時の私は、浮かれていた──