「むぎちゃん!大丈夫?」
廊下に出ようとすると、すぐに笑実ちゃんが駆け寄ってきてくれた。
「笑実ちゃん!大丈夫じゃないけど、大丈夫ー。」
「何よそれー、大丈夫じゃないでしょ。」
「えへへ、大丈夫じゃないです。でもさっき柊斗のおかげで大丈夫になったよー!」
「そーなの?」
「うん!それにしても先生のせいで、
小学校の頃みたいに『麦わら帽子』とか言われたらもー最悪だよー!」
「まぁまぁ、大丈夫よ。さすがに高校生だし、そんなことする人はいないでしょー。
それに先生だって悪気があった訳じゃないんだし。
それにこれきっかけでむぎちゃんの名前覚えてもらえたと思うよ!」
「あっ!それ!柊斗が言ってくれたのとおんなじ!」
「え?そーだったの?」
そう言って笑実ちゃんは少しだけ顔を赤らめた。
笑実ちゃんは時々こうなるときがある。
中学の頃から見てきたのに、
それは柊斗のことが会話に出てきた時だけだって、最近気がついた。
でも何でなのか、全然分かんないんだよねぇ。
「笑実ちゃん?顔ちょっとだけ赤いよ?何で?」
「え?うそ!…そんなことないよ!何でもない!」
「……そう?」
笑実ちゃんが何かを隠してる
笑実ちゃんに限らず
──誰かが私に何かを隠してる
そういうのが分かるとき、少しだけ寂しくなる。
私じゃ頼りないのかなって。

