でも俺も、むぎの心臓の音、聞こえたんだから、むぎにも聞こえたよな……。
俺は、あんまり顔が赤くなったりしない人らしい。
前にむぎに言われた。
その分、心臓が暴れるんだから、こーゆー時勘弁してほしい…。
俺は、これ以上何も起きないように、むぎをかどに立たせて、俺はむぎにそっぽを向いた。
案の定、むぎは『これじゃ喋れない…。』とか言ったけど、
そのちょっと寂しそうな感じとか可愛かったけど、
……分かってくれよ。俺は、顔では誤魔化せても、心臓では誤魔化せないんだって。
なんて、言えるわけもないから、
『もうすぐ降りる駅着くから』という理由でなだめておいた。