俺の幼馴染みは、超鈍感だ。
現にさっき、事故とはいえ、壁ドンしちゃったんだぞ?
なのに何も言わないって………
チラッと横向いて、俺の両腕がドアについてんの見たよな……?
余程俺に興味がないか、壁ドンを知らないか……
後者だったら、嬉しいけど。
今時、壁ドン知らない女子高生とかいないだろとか思うかもだけど、
それほどにむぎは鈍感だ。
……のわりにさっき、むぎが立っているバランスを崩したから、咄嗟に支えたのだけれど…
支えた、だけだったんだ。
なのに、むぎの方から俺に抱きついてきた……
まぁ、それはもっとバランスを崩したとかそんなんだろうけどな。
気になったのは、心臓の音。
急に抱きつかれて、俺の心臓が高鳴るのは分かるけどさ?
それにつられるかのように、むぎの心臓の音も早くなった。
…期待、するのはもうやめた。
だけど、期待するのは諦められても、好きなのは諦められねーんだ。