十月桜

その男の子は黒猫を抱き抱える。


も、もしかして……。

あれって……まさか。


「あ、あの!」


勢い余って何も考えず、声をかけてしまった。

男の子は黒猫を抱き抱えたまま、こちらに目を向ける。


「君は……あの時の」

「お、覚えてるんですか?」

「……うん。覚えてる。忘れるはずない」