「なんだこの店?すっげぇ、ぼろいんだけど。」


 看板は斜めり、色も剥げていて、いかにもお化け屋敷という感じだった。


 周りには雑草が生い茂っていて、見た限り自分以外の人が誰一人として居なかった。 


「うっわっ。」


 気味が悪くて来た道を戻ろうとしたけれど、そこに道はなくて、落ちたらすぐに死んでしまうような急な崖があった。


 俺は思わず身震いした。


 死んでしまうよりは……と思い仕方なく入ろうとしたんだ。


 すると、店の前にフランス人形と見間違えそうなくらいの、端整な顔立ちの女の人が立っていたんだ。