「いやぁぁぁあ!!そんなはずない!!優しいことはいいこと!!優しいっていうのは人を助けるようなこと「なら、何で風が言ってくれた優しい言葉が嫌だったの?あなたが言っている優しさのはずよ。」
優しいあの言葉はまるで自分の心をぐちゃぐちゃにかきまわされるようで体を切り裂かれるようだった。
「そう。優しさは拷問。体をぼろぼろに切り裂かれるような、こなごなにされるような、体中に悪寒が走るような感じのもの。最後に一緒だよとか言われた時に思う、自分は違うということに気付き、心が壊れるように、中にたまっていた物が一気に破裂する。
ここは、心の集まる所。そして、心が死んでゆくところよ。」
頭の中で優しさは何だったのか、今までしていたことはなんだったんだろうかと問い詰められるような気持だった。
体中が痛い。
耳も手も、どこもかしこも…



「もうすぐ、怪物が消えるわ。さぁ、壊れていきなさい。」



女の子はとてもきれいな笑顔で私に言った。
私は自分の体をふと見つめた。
私が見たのは、


手が変な方向に曲がり、ゴキゴキッと音を立てている光景と足がごぽごぽと音を立てて膨らみ皮膚が破れるところだった。

「!!!!!!!!!」

悲鳴すら上がらなかった。
その光景が頭の中に焼きつくかのように違うことを考えようとしても消えずにそのいやな光景だけが脳内に刻まれる。
女の子は近付いてきて


「あなたは、偽りの優しさを植え付けられた化け物だから、始末しなきゃならないの。
次に会うときは、本当の優しさを見つけててね。さようなら。」


女の子のさようならを合図に体の一部がはじけ飛んだ。
痛みはほとんどない。
周りにはじけ飛んだ血肉がぶつかるべちゃっという音と体が粉々に砕かれるようなゴキッグチャッという音が耳に響いた。
女の子は笑ってこっちを見ていた。
風のウソの優しい言葉は聞こえなかった。


「がっ、ぐぁっぁぁあぁあ!!!!」


私の記憶は自分がはじけ飛ぶ光景とともに消えた。