「どうしたの?どこか痛いの?」
優しさを持った子はいい子なんだよといつも教えられていた。
私は公園の隅で泣いている小さな女の子を見つけた。
そして、声をかけた。
「お母さんが…」
迷子なのかもしれない。
探してあげよう。
そして届けてあげるのが優しさなんだ。
優しさはとてもいいことなんだ。
そう思っていた。
「どこに住んでいるの?お母さんのところに連れて行っ「いやだ!!何で大人の人はみんなしてひどいことを言うの!?」
その小さな女の子はうつむき泣きながら叫んだ。
連れていくのが優しさじゃないの?
助けてあげたり、慰めてあげるのが優しさなんでしょ?
「どうしたの?ほら、飴あげるから泣きやんでね。きっとお母さんも見つかるよ。
一緒に探そうね。」
「・・・。」
女の子は泣きやんだ。
ほら、やっぱりこれが正解。
優しいってこういうことなんだ。
女の子は小さな声で何か言っているのがわかった。
「何?どこか怪我でもしてるの?」
女の子は答えなかった。
そして



「お姉さんも天使の皮をかぶった化け物なんだね。」



女の子は頭をあげた。
顔は人間の顔じゃなかった。牙が出ていて顔は紫色をしていて、しわくちゃで目が大きく少し飛び出るようについていて、花がすごく高かった。
私は悪魔の顔だと思った。
「ひっ!!誰か!!」
叫び声をあげて走り出した。
だけど周りにはだれもいなかった。
全力で走り続けた。
怖くて怖くて仕方がなかった。
何分間も走り続けているとやっと人らしきものを見つけた。
そして人だと認識した瞬間必死で走った。
「助けてください!!あそこに変な女の子が!!」