諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


「……そうだったんですか」

 瞼を開くと松岡さんは口を開いた。

「あ、悪い。仕事中だったよな。続けてくれ」

「……コバさんは、諦めてはないと思います」

 私、何言ってんだ。

そんなこと思ってないくせに。

「……本当かな?」

 私は、はいと答えた。

嬉しそうに松岡さんは微笑んでいた。

「そうだな、うん。心配することないよな。ありがとうな、陽琉」