「あ、あの……」 この状況を見て、私は何かを発しなければならないと思ったその時であった。 「……だからなんだよ! お前、夢は他人のせいにしちゃダメじゃないか。俺は、俺自身で生きてる。だから、生まれも育ちも関係ないと思うが」 何かをしなければならないと思っていたら苦しそうに松岡さんらしくない言葉がコバさんに向けられた。 「……ゴメン。でも、夢は見るもんじゃないと思う。俺はもう分からねぇんだよ。夢を諦めてもう会社員でもなろうとか思うだよ」 私は松岡さんの隣にいて、様子を窺っていた。