諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます



「嫌それは仕方ないですよ。匂いフェチなんですから」

 それを見ていたコバさんは、面白くなさそうに拗ねていた。

 松岡さんは、腹を抱えて笑っていた。

「あはは。はあ、おもしれ―」

「なんですか?」

「こいつ、女性にそんなこと言われたことないんだよ。こんな服着てるけど、外見だけはいいからさ。いつも女性にモテるし。近くに接近されると喜ばれるんだよ。でも、陽琉は、違かったよね」

 コバさんは居間で黙ったまま畳の上に座っていた。

「だから、こいつちょっと戸惑ってんだよ」