すると、私は目を疑った。

面接室で、十時に面接ですと書かれていた。

 はい? え、ちょっと待ってよ、落ち着け私。

震える右手を左手で押さえて、左手首にあった時計を見た。

 今は、十時。

 あれ? 十一時半じゃなかったっけ?

もう一回、封筒を確認した。

 何回見ても、十時であった。

遅刻をしているが、まだ間に合うかもしれないとその時の私は思った。

私自身もよく分からないが、A会社に行けばなんとかなると思ったのだ。

 封筒をグチャグチャになりながらも無理やりカバンに入れた。

早足で近くにあるバス停に向かい、もう結果は決まっているのにA会社に向かった。