「こいつ、変なところあるけど。しっかりしているから。安心して、こいつに言ってね」
松岡さんは笑顔で言ってから、コバさんを残して奥の部屋に行った。
コバさんは初めて私に話しかけてきた。
「あんた、女子の友達いる?」
はい? と身を屈めながら私は彼に言った。
「いますけど」
私がそう言った瞬間、さっきのテンションとは違い、声のトーンが高くなっていた。
「え、マジで―! じゃあ俺に紹介してよ」
コバさんは満面な笑みをしていた。
「嫌です!」
私は真顔で拒否した。
眉を寄せて彼は、不満げな表情を浮かべていた。
「はあ? 何でだよ! 俺に、女子紹介するくらいいいだろう?」
この人は、分かっているのだろうか?

