「お前、陽琉を襲うなよ! 首を嗅ぐ癖やめろよな、はあ―、女性はそういうのやなんだぞ!」
そ、そうよ。松岡さんの言う通り。
「だってよ、無理だよ。そんなの。だって、俺匂いフェチだし」
やっと口を発したと思ったら、はあ―? 匂いフェチ?
いやいや、もう変態じゃないか!
「あの―コバさんと松岡さんは?」
松岡さんは、いい忘れていたという顔をして、私に言ってきた。
「コバと俺は中学生からの仲で。この前も言ったように、こいつがもう一人の従業員だから」
え? この人が古本屋『松岡』の従業員?
いやいや、まさか。
でもコバさんも夢あるんだよね。
でも、そんなふうに見えないのは私だけ?

