諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


ひよっちとは、松岡さんだったとは。

「ひよっちこそ、元気だった?」

「元気、元気! 毎日ピヨといるからな」

 変態は松岡さんと親しいのか。

だから、ここに来たのかと納得できる。

「あ、そういえば。陽琉、紹介してなかったな」

 床の上で胡坐をかいていた松岡さんは立ち上がり、私の方に来て言った。

 変態は、遠目でジッと私の方を見ていた。

「こいつは、小林祥生(こばやし よしたか)。俺たちは、コバって呼んでる」

「……」

 コバさんは何も言わずに、まだ私の方をジッと見ていた。