諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


「な、なんですか!」

 変態はニッと笑い、ズガズガと居間まで足を運んだ。

「ちょ、ちょっと。あなた、何の用ですか? そっちに行かないで下さい」

 私がそう言った時だった。

「ひよっち」

 か細い声で誰かに話しかけていた。
 今日は私と松岡さんしかいないはずだ。

「ん、なんだ。騒がしいな」

 松岡さんは居間にいたので、ピヨを両手で抱きしめつつ胡坐をした状態で戸を開けて出てきた。

「ひよっち」

変態はひよっちと、松岡さんに向けて発した。

「あ、お前帰ってきたのか! なんか細くなったな、元気だったか?」

 松岡さんの反応では、知り合いらしい。