「べ、べつに意味はありません」 「そう。ならいいけど。陽琉にはあの古本屋で頑張ってほしいんだ。いろんな意味で」 いろんな意味。 私の目的は、夢を叶えるためだけじゃないの? 「……分かりました」 「じゃあ、俺はあの広い草原行くから。ここまでな。気を付けてな! またな」 松岡さんは私にそう言い、ピヨとあの広い草原に向けて歩き始めた。 その後ろ姿は、あどけない子供っぽさを残しつつも頼もしい背中であった。