私は夢という単語を何回も耳にしていたせいか、彼女から本心を聞いてみたくなった。
一瞬目を瞑り、彼女は私にゆっくり柔らかい笑顔を浮かべていた。
「夢は思い続けることが大事なの。あなたはずっと思い続けたことある? 私はずっとモデルになりたいって思ってたから。雑誌でモデル募集しているオーディションに受けるけど落選しまくってね。私が二一歳だったかな。もうどうしようと思ったんだけど、偶然陽和に会ってね。それで今に至ってるわ」
長い時間、何も飲んでいなかったようで、カバンからペットボトルを取り出してお茶を飲んでいた。
その横顔も綺麗だった。私はその横顔を無意識に見ていた。

