諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます

そんな問いを言われて、何も答えることが出来なかった。やることはあるはず。

 だけど、やることは、就活しかない。

「……」

 松岡さんは足を組んで椅子によりかかりながら立ち上がり会計スペースに向かった。

「じゃあ、決まりね」

 会計スペ―スから紙とペンを持ち、私に渡した。

「名前書いて。履歴書とか要らないから。さっき聞いたしね。いろいろ」

 一瞬迷った。

でも就活は、やらなくちゃいけない。

私は会社で働いて、自分で稼げように早くなりたいからだ。

私が何をしたいのかはここで改めて考え直していきたいと思えた。

ゆっくり、ペンを持って何も書かれていない紙に時間をかけて小松陽琉と丁寧に書いた。