「本当だから、疑わないでよ」 照れながら彼は頭を掻いていた。 私は彼に聞いた。 「……本当ですか?」 彼は、頬杖をして笑顔で答えた。 「本当」 ……この人は、悪い人ではない。信じてみても大丈夫かもしれない。 笑顔で答えた彼を見て、私は言った。 「松岡さん、私今日面接があったんです」 「お、どうだったって。もう分かってるか」 「はい」 「今日、最終面接あったんですけど……私のミスで遅刻してしまって」 松岡さんは片手でコップを持ちながら、口をポカンと開けて苦笑いを浮かべていた。