諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます



おばあちゃんのように、よこいしょと両手にテーブルをつき、椅子から立ち上がった。  

借りた服を持って靴を脱ぎ、居間にお邪魔した。

「し、失礼しま―す」

 真っ直ぐに歩いて右側に行くと、すぐ洗面所があった。

 ガラっと扉を開けると、洗面所には綺麗に揃えられたタオルが置かれていて、コップの中に入っていた歯ブラシが一直線に立っていた。

また、コップはひとつしかなく、一人暮らしだと分かった。

 鏡や床など至るところ埃ひとつなく綺麗だった。

呆然とその風景を見渡して、私は着替え始めた。

洗面所は、においひとつなく殺風景であった。

その風景に疑問に感じながら、ス―ツを急いで脱ぎ、借りた服を着た。

 ガラっと扉を閉めた後、彼のところへ戻った。

彼は、私が戻ったことに気づいて私に話しかけてきた。