「陽和」
「……林総理大臣。あなたは、松岡さんの気持ち分かってなかったんです。帰っていただけますか?」
私は林総理大臣に少しキツイ口調で言った。
「……少しだけでも話せないか? 陽和」
低いトーンで林総理大臣は、松岡さんに話しかけた。
さっきとは違い、ちゃんと彼を一人の人間として見ている気がした。
「……親父。
親父の気持ちはよく分かった。
でも、俺は親父の気持ちは受け取れない。俺はネコカフェを作りたかったのは、陽琉が言った通り。
俺の気持ちと親父の思いが入っている。だから、その思いをただ見守っていてほしいんだ。
それだけは分かってほしい。
親父、俺のことはもう忘れてくれ。
俺のことはもう大丈夫だから。
毎週のようにお金送らなくても生活できるから。
俺のことより弟のことをちゃんと見てあげて」

