「……おや……」
松岡さんが林総理大臣を呼ぼうとした時、私は口を開いた。
「あの林総理大臣。お言葉ですが、あなたに松岡さんに家へ帰れという権利はないと思うんですが」
私は椅子から立ち上がって、総理という立場など気にしないで林総理大臣に言った。
「さっきからいるけど、あなた誰だね?」
ムッとした表情で林総理大臣は私を見てくる。
「申し遅れました。私は小松陽琉です。ここでバイトしている者です」
私は姿勢を正して林総理大臣を見ながら自信溢れるように言った。
「そんな君がなんの権限で、私に陽和について言うんだい」
「陽琉、いいから。黙ってて」
彼は私に座って、口を慎めと言っているのだろう。

