諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


不安で、不安で仕方ない。

その不安が分かっているかのように、松岡さんは何故本当の自分を引っ張り出してくれるのだろうか。

「陽琉。無理に頑張らなくていいの。自分なりの答えを探せば……」

「自分のごだえ?」

 私は泣きながら、彼に話しかけた。

「そう。自分の答え。自分が今やるべきことは何か。やらなくてはならないこと誰にしもあるはずでしょ」

 ニコリと彼は私に笑いかけて、私の頭を撫でた。

その言葉が欲しかったんだ、私。

無理に頑張らなくていい。

その言葉だけで、心が掃除された気分になった。

「……やらなくてはならないこと……ですか。自分が今やるべきこと。そうですね。なんでもう松岡さんにはこう話しちゃうんですかね」