諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


「コバさん」

「お前なんて一生考えてればいいんだよ」

 彼は、フッと鼻で笑っていた。

「はあ、コバ。珍しくいい事言ったと思ったのに。なんでそんなこと言うかな! 陽琉。私はね夢は叶うって信じることだと思うよ。だからね、私が言いたいことは……」

「陽琉は夢を叶えるために頑張ってる」

 松岡さんは、くるみさんの話を妨げて真っ直ぐな目で私に言った。

「陽和。なんで私よりさっきに言うの!」

 彼女はさっきに言ったのが気に食わなかったのか、はあ? という顔をして彼を見ていた。

「別にいいじゃん。くるみが言うのが遅いんだろ」

 くるみさんに反論して彼は意地悪そうに言った。

「もう! 私さっきに帰る。コバも付いてきて」

 子どものように顔を膨らませて、彼女はいじけていた。

「はあ? くるみ一人で行けよ!」