仕事をしながらでも、本当の夢が叶うのか不安になった。
「……みなさん、いいですね。私なんか夢なんて叶えたのかな」
私は黒目を右に向けて、三人を見ないように心の中で思っていることを言っていた。
「陽琉、そんなことないよ。陽琉は頑張ってるよ。仕事だって決まったし」
彼は、涙を拭いながら私に言ってくれた。
「……分からないんです。私」
私は、また下を俯き言った。
「……何が?」
くるみさんは、鼻をすすりながら私の方をきちんと見て返答してくれた。
「私なりに夢は叶えました。でも、今くるみさんとコバさんを見ていたら、本当の夢は叶えられるのかなって」
くるみさんとコバさんは、動作を止めて私の方を見てきた。
「ふ―ん、夢なんてお前が考えれば考えるほど夢なんて叶わないんだよ。だから、今の現状を頑張ればいいと思うけど、俺は」
コバさんは涙を右手でふき取りながら何もなかったように携帯を弄って、私に向かって言っているように思われる。

