諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます



「なんでもないですよ、松岡さん」

 私は無理に笑顔を作り松岡さんに言った。

「……そうか、分かった。ほらこれ見ろよ」

 松岡さんは、真面目な顔から笑顔で私に言った。

私は、雑誌を松岡さんから受け取った。

だが、その時に私の右手が松岡さんの手に触れた。

 その際に、彼は私の手をギュと掴んできた。

 なんでそんなことするの。なんで、やめてよ、私のこと好きなの?

 胸がドキドキしている。

「あ、え、ありがとうございます」

 彼は、私の目を見て雑誌を渡してきた。
「はい」

 私の気持ちのことなんて知らないで、無邪気な笑顔で笑いかけてきた。

 もうやめてよ、そんな笑顔をすると自分の夢考えられなくなるじゃない。

「あ、それよりコバ。昇哉さんとあれから連絡できたか?」

 酒を飲み終わり彼は、スマホを弄り何かを検索していた。