諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます



その笑顔にグサッと胸に突き刺さった。

 何これ、苦しい。

 涙出そう。もうそんな笑顔しないで。

「陽琉?」

 松岡さんは、ボケッとした顔で私に話しかけてきた。

瞬時に私は下を向いて俯いた。

「陽琉、どうした?」

 私を心配してくれたのかくるみさんが私に話しかけてくれた。

 私はくるみさんの声に我に返り、目に涙を浮かびそうになる目を抑えて顔をあげた。

「……あ、はい。大丈夫です」

「本当? 大丈夫?」

 くるみさんは腕を組み、私を心配そうに見てきた。

「大丈夫です。松岡さん見せて下さい」

 松岡さんに私はそう言うと、松岡さんは黙っていた。

「松岡さん?」

「陽琉、黙ってないでなんか言っていいよ。言いたいことあるんでしょ?」

 え? なんで、そんなこと聞くの。

 松岡さん、私にそんな優しくしないでよ。私勘違いしちゃうから。