諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


松岡さんとコバさんは、お互いを大切にしながら接しているんだ。

 松岡さんの知らなかった過去。

 あんな顔をする人なんて、思わなかった。

私ならあの人を笑顔にするのに。

あれ? え? いや、まさかね。

私は松岡さんを見た。

「どうした?」

「いや、なんでも……」

「顔赤いぞ」

 そう言って、松岡さんは私に近づき私のおでこを触った。

「以上ないな。うん? また、赤くなってるな、大丈夫か」

「……」

「ふ―ん、なるほどね」

「え? 何がコバ」

「ひよっちはそういうの鈍感だからね」

「だから何が」