諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます



「……落ち着け、コバ。話したいことは分かる。陽琉」

 松岡さんは私のことに気づいたのか、私の方を見て言った。

その場所には、コバさんと松岡さんしかいなかった。

 昇哉さんはいなかった。

多分松岡さんは、昇哉さんに今日は帰った方がいいかもしれないですねと適当なことを言い、帰らせたのだろう。

「コバさん、松岡さん」

 コバさんは、怒り心頭に怒っていた。

「陽琉、コバから聞いたか」

「はい」

「……コバ、陽琉。聞いてくれ」