諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


ニャ―という声が遠くから聞こえた。

 声の主は、その声が聞こえないのか、まだピヨ―と呼んでいる。

ニャ―、ニャ―、ニャ―という猫の声が近くでした。

 ガサガサと草原をかき分けて、ピヨの方へ向かった。

「ピヨ――」

 私が呼んだら、ニャーと私に甘えるような声が近くで聞こえたので、周囲を見渡したら私の足元にネコがいた。

「ピヨ?」

 ネコは、ニャーと言い、私の足元をスリスリしてきた。ピヨと確認したので、そのネコを確保した。

「……捕らえた!」

「ピヨ、見つけました―!」

 遠くにいた声の主に私は言った。

声の主は、うれしそうに私に叫んだ。

「本当だ―ピヨ――!」

 声の主は、私の方に急いで走ってきて、私の手にあったピヨを声の主に渡した。

「ピヨ! どこに行ってたんだよ――」