「太橋さん、昨日はありがとうございました。あ、冷えてるビ―ルあるんで、呑んでいきませんか?」
「いや、今日は遠慮しておくよ。すぐ済むから。総理入ってきて下さい」
太橋さんはそう言って、後ろを振り返り、総理? という人を呼んだ。
あだ名かな? まさか、本当の総理とか?
そんな訳ないよね。
「だから、総理って呼ぶのやめないか、林さんにしてくれ」
心の中で呟いていたら、そこにいたのは小柄な男性であった。
どこかで見たことがある。
昨日どこかで。
「あ、林総理大臣!」
あ、と口にあて、思ったことを口にしてしまった。


