諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


昇哉さんは、松岡さんに案内された。

前にくるみさんと話していたテーブルで話し合いをしているのだ。

 この前のくるみさんと昇哉さんの情景が頭から離れない。

彼女と彼の関係が気になってしょうがない。

松岡さんは呑気に胡座をかいて、ピヨとじゃれていた。

 コバさんと昇哉さんは、真剣に話しあっているのに、この人は。

「松岡さん、ピヨとじゃれあってないで。なんかしたらどうですか?」

「今してるよ。ピヨとじゃれ合ってるよ」

「いや、そういうことじゃなくて。古本を整理するとか、なんかあるでしょ」

「……陽琉。俺がすることは夢を叶えてやることなんだよ。それを見届けること、それだけ。古本を売るのは大事だよ。生活かかってるしね。大事なのは、人生で何を成し遂げるかだよ、陽琉」