コバさんは、間をおかずに一気に言ったせいかはあはあと息を切らしていた。
「……コバの言っていることはわかった。前にも言ったけどお金は気にするな。違うバイトもしてもかまわない。絶対、カメラマンになるから、コバは大丈夫。頑張ろうぜ!」
そう言って松岡さんは笑顔で左手に持っている袋を上に上げて、飲むか? と言った。
コバさんは、コクリと首で頷いていた。
「でも、その前に陽琉に謝りな」
松岡さんは私を見て、ウィンクをしていた。
コバさんは、私の方向を向き直して、頭を掻いて照れているのか下を俯きつつ言った。
「……ゴメン。でもお前には関係ないからな」
「コバ―」
松岡さんは、コバさんの名前を言ってからがっかりしている様子であった。
くるみさんはコバさんの反応にすぐ応えて、コバさんの行為を楽しそうにケラケラ笑っていた。

