諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます



「ひよっち」

「陽和」

 くるみさんとコバさんは松岡さんの名前を呼んだ。

 くるみさんとコバさんは向き合い話あっていたので、私は松岡さんがいることに気づいた。

私たちは玄関で言い争っていたので、松岡さんがいつからいたのか分からない。

「コバ。陽琉をそんなふうに言っていいのかな。ましてや、新人の子に? いいのかな?コバ」

 松岡さんは、左手にはビ―ルらしきものとピヨに餌をやるためか餌のようなものが袋に入っていた。

「……ひよっち、昨日はゴメン。俺が悪かった。夢は見るもんじゃないなんて……でも、夢は叶いたい。現実厳しいかもしれない。外に出て放浪して気づいたんだ。俺はカメラのセンスないかもって。だから、反論した。ゴメン。俺は、カメラしかないんだよ。どんなに考えても、普通に働いていたら俺じゃない気がするんだよ。お金貰ってるけど、違うバイトもして貯めて、絶対にカメラマンになるから」