諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


「はあ……あんた達は。何年間の付き合いだと思ってんの。大体は陽和が忘れてるから大丈夫だと思うけど……今日は陽和いないわよ」

「え? なんでだよ!」

「私にキラれても困るんですけど。まあ、じき帰ってくるでしょ。待ってたら」

「……いや、帰る」

「はあ? なんで待ってばいいでしょ。どうせ、陽和帰ってくるんだから」

 くるみさんの意見が正しいと思ったので、私は彼に言った。

「あの―待ってればいいじゃないですか? その内来ますし」

「うるせぇよ。お前は、黙ってろよ」

 そう言った時、私は言葉を発した。

「松岡さん」

 くるみさんとコバさんは、後ろを振り返った。