「はあ……あんた達は。何年間の付き合いだと思ってんの。大体は陽和が忘れてるから大丈夫だと思うけど……今日は陽和いないわよ」
「え? なんでだよ!」
「私にキラれても困るんですけど。まあ、じき帰ってくるでしょ。待ってたら」
「……いや、帰る」
「はあ? なんで待ってばいいでしょ。どうせ、陽和帰ってくるんだから」
くるみさんの意見が正しいと思ったので、私は彼に言った。
「あの―待ってればいいじゃないですか? その内来ますし」
「うるせぇよ。お前は、黙ってろよ」
そう言った時、私は言葉を発した。
「松岡さん」
くるみさんとコバさんは、後ろを振り返った。

