コバさんはくるみさんに近づいて、フンと言うばかりに自信たっぷりであった。
「はあ、コバは……あ、陽琉。さっき、言ってたのがこいつのこと。全然従業員がいなかったから、陽和の親友が全くあてはまる人だったから従業員になったの。あのふたりは元々仲良いからね。ここはふたりでやってきたようなもんだと思うけど。こいつは、どう思ってんのか良くわからないけど……」
そうひっそりと彼女は言っていたが、コバさんに丸聞こえだ。
「……おい、くるみ。丸聞こえだぞ。こいつに、なに話してんだよ! こいつは知らなくてもいいんだよ、別に」
「そうやって女性には冷たいのね、最低―。でも、夢を叶える人はここの仕組みは知るべきでしょ。それより、コバは何しにきたの。今さら」
コバさんは、体をモジモジしながら目を逸らしつつ私たちに発した。
「ひ、ひよっちに、謝りにきたんだよ」
「謝りにきた? あなた達、もう会ってたの。 また、コバ怒鳴って陽和を怒らせたんでしょ」
彼は、身を狭めた。
「はい、そうです」

