諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます


何時間経っただろうか。

誰もいなくて、広い草原が見えてきた。

都会なのに草原があるのは珍しいと思った。

人工的に作られたのかと思えたが、その場所は、近くには川があって子供達が遊べるような公園もあった。

ここは日本と疑うほどの広い草原であった。

「なに、ここ」

私はひとり呟いた。

私はこんな広い草原を見たことなかった。

そんなことを思っていたら、遠いところから声が聞こえた。

「ピヨ、ピヨ、ピヨ」

「え? 誰!」

 私はその声を辿り、歩き始めた。

草をかき分けて、その声の主を探した。

 すると、声の主が現れた。

「ピヨ、ピヨ、ピヨ」

「あの―何してるんですか?」

 声の主は、私を見て驚いていた。

「え? 誰?」

 こっちが誰だよ!

「あの―、なにか探しているんですか? 声が聞こえたので……」