そう考えていたら、男性が話しかけてきた。
「……大丈夫ですか?」
「あ、はい」
「何回呼んでも返事なかったので」
男性は、心配そうに私を見つめて右手で頭を掻いていた。
女の子は寂しいのか男性に話しかけていた。
男性は、女の子の身長に合わせるかのように屈みこんで話をしていた。
ねぇ、この人誰?と。
男性は、れんかは知らなくてもいいのと答えていた。
女の子は、れんかという名前らしい。
男性はれんかちゃんとの話を終えて私を見てきた。
「……すいません。ちょっと昔を思い出していて」
「……そうですか。では……」
「はい」

