君が嫌いな君が好き

私だったら、こんな終わり方をしないんだけどな。

でも現実と言うものは不公平だけど、その分だけ結末がどう言う風に転がって行くのかわからない。

王子様が現れるのは、美人とかかわいいとかに限らない。

平凡な子のところに現れることもあれば、意外な子のところにも現れることもある。

事実は小説よりも奇なりと言うけれど、あれは本当だな。

「梅乃」

久米が私の名前を呼んだ。

「泰成」

私も久米の名前を呼んだら、彼は微笑んでくれた。

久米の微笑んだその顔をみたのは今日が初めてだった。

「キス、してもいい?」

そう聞いてきた久米に何だかおかしくなって、思わず吹き出してしまった。

「何だよ」

ムッとした様子で言い返してきた久米に、
「女に苦労したことがないんじゃないのって思って」

私は彼の質問に答えた。