君とまた、出会う夏



……そ、そんなことってあるのかな。


信じ難い話しだけど、目が真剣だ。




「ほ、本当?」


「本当」




記憶喪失ってことになる、のかこれは。


人生初の体験すぎて頭は混乱中。




「えっと、あたしは紫苑。菅原紫苑。16歳だよ」


「………紫苑」



復唱するように呟いた声に、不覚にも胸が高なった。



「花の名前なの。薄紫色の花。わかる?」


「……なんとなく」