君とまた、出会う夏



そしてゆっくりとした足取りで、公園の中央にある大きな木の下に花束を置いた。



「………お母さん、あたしは今日、16歳になりました」



手をあわせて目を瞑り、お母さんに語りかける。




ねぇ、聞こえてますかお母さん。

あたしの本当のお母さん。



今年も一年、あたし頑張って生きたよ。


笑って生きられたんだよ。



約束、守れたからさ。




お母さん。





「………あたしのこと、許してくれる?」