あたしはしゃがみこんで、入り口の側に生えている小さな花を摘んだ。 決して綺麗ではないけれど、それでも、一つ一つがまっすぐに立っている。 遠い昔の記憶が蘇る。 一匹の猫が、道路の端の花を好いていた。 近くに花が咲いていると、決まって足を止めるからだ。