「私、紫苑ちゃんのいいお母さんになれるように頑張るからね」 ゆっくり微笑む彼女を見て、あたしの中のなにが切れた。 「あたしのお母さんに、あなたはなれないよ」 進まないで。 あの日から止めてきた時間を動かさないで。 罪悪感と後悔で押しつぶされそうな胸をつかんで、あたしは駆け出した。 ごめんなさい。 あたしが、壊したくせに。