この人は、なにも変わらない。 あの頃から。 「………久しぶりね、お父さん」 1ヶ月も帰ってこなかった父を非難するニュアンスを込めて、あたしは嘲笑した。 それでもお父さんの表情は変わらない。 そこがまた、あたしのカンに触る。 「なぁに?今度の女は清楚系?」 ちらっと女性を横目に見る。 「あなたもかわいそうだね。どーせすぐ捨てられるってわかってんでしょ?」 「紫苑!」