君とまた、出会う夏



世間から見ればうちはきっと金持ち。

小さい頃は自慢だった。


でも今ならわかる。



こんな家、なんの価値もない。


誰もいない。
物音一つしない。


広いだけの家。




本日2回目のため息をついて玄関の扉を開ける。


青い青い空にたった一つ輝く太陽がまぶしすぎて、きつく目を閉じる。