「ねぇ、のの大丈夫なの?」
「へ?」
「『へ?』じゃないよ。まだあの件について解決してないんでしょ?」
「うん…。」

"のの"こと雨音ののとは私の名前で少し前に高校2年に進級したばかり。
今 私と話している女の子は長谷部優花。
お母さんみたいな性格で美人系の顔立だから男子からは結構モテるんだよね。
優花が話していた『あの件』というのはストーカーのことで、地味な私が被害にあっているという摩訶不思議な事件。

「それにしても優花じゃなくて私をストーカーするって物好きな人もいるんだね!」
「何言ってるの!ののは可愛いんだからもっと注意するべきだよ」
「……ハハハ」
「帰り道大丈夫なの?私送ろうか?」
「大丈夫だよ。足には自信あるから全然平気!」
「…そっか。何かあったら電話してね。」
私は校門で優花と別れた後、いつもとは違う道で帰ることにした。