それでもあなたが愛おしい。



「ちょっと、心!

なんなのあのメール!」




そう私が噛み付くとやれやれという顔をしてこちらを見る。




「早く乗ってください。」





「…」





あんな絶対零度みたいな瞳で見られたら黙って乗るしかない。




ムカついて睨んでみると極寒の微笑みが返ってきた。




何しても勝てないと感じさせられるこいつ。





頭ではもちろん勝てない。




喧嘩でも勝てない。




口喧嘩でも勝てない。




何一つ勝てるものがない。