少女(『00』)は、空耳なのかと疑った。

「玲?」

もう一度その台詞が聞こえたので、彼女はハッとした。

記憶の中、それも、零華としての記憶の中の奥底から流れてくる言葉。

そして、彼女は彼のことを、「凛」と呼んだ。

「久しぶりだね。凛。」

『00』はニコリと微笑んだ。

少年改凛は、零華が帰ってきたのだと強く思った。

零華は、既に死んでいるのに。