「加藤さん!!俺!!俺の隣空いてます!!!」


「ーーいやいや、うちいるんですけどっ!!?」



「いや、こっちの席の方がいいと思います!!今なら女子委員長(頭いい)が付いてきます!!」

「ーーちょっと、私をオプションみたいに言わないでよね!!?」





盛り上がる教室に1人、混ざりきれない俺。


とりあえず、目の保養としてもう1度転校生を見る。



ーーパチッ


「ーーっ!!??」


気のせいか、さっきから彼女とよく目が合う気がする…。


その度俺は先に目を逸らす。

不自然だっただろうか…?

いや不自然以前に、きっと彼女は俺の事なんてみていない。




「せんせー!!考えてみれば、空いてる席って1つしかありませーーん!!」


「あれーー?そーだったっけ??先生うっかり♡」


頭にコツンとテヘペロ感を醸し出す担任。

絶対分かっててしてただろう…。




「……はーい、じゃあ空いてるのは黒崎くんの隣ね。あそこ行ってちょーだい。」


「ーーはい。」


教室がまたもや静まり返る。

…先生勘弁してくれよ。


周りの視線がチョー痛い。
特に男子。



ジェラシーの念が俺に降り注ぐ中、その間をスルリと通り抜けてきた転校生。


「ーーよろしくお願いしますね。」


にこりと向日葵のような暖かい微笑みを俺にしてくる加藤サン。


やめてくれ加藤サン…。

周りの男共のように俺も君に惚れてしまう。